ヴォーバンの要塞施設がある町、ブライ

ヴォーバンの要塞施設

セバスチャン・ル・プレストル・ヴォーバン（Sébastien Le Prestre Vauban）によって設計されたブライの砦（Citadelle de Blaye）は、外せない観光スポットです。城を持つ古代ローマ人とアキテーヌの公爵は、河口を見下ろす３５mの断崖の存在を既に把握していましたが、ヴォーバンもまた河口からの攻撃の排除に適したこの断崖を要塞施設の建設地として選びました。１６８５年には、後に小さな駐屯地となった３８ヘクタールもの外壁を建てるために中世の村は全て取り壊され、残されたのは要塞施設の一部として使用されたアキテーヌ公爵城だけです。
外壁が他の壁を守るよう精密に計算し、建設された軍事建築が好きな方や河口の水が外壁の下を触れながら流れている雄大な場所が好きな方、迷路のような要塞施設を楽しみたい方等、今日では様々な方におすすめのスポットです。

河口の閂

「河口の閂（Verrou de l’Estuaire）」は、このブライの砦だけではありません。砦は他に２つあります。川を渡った反対側に位置する、キュサック（Cussac）のメドック砦（Fort Médoc）はその一つです。このメドック砦は、高台ではなく湿地に建てられたため、地下のないこぢんまりした要塞施設となっています。
ブライの砦とメドック砦の間にある川の幅が３kmもあったため、２つの要塞施設だけでは防衛するのには不十分でした。そこで、３つ目の砦を地盤が不安定な２つの砦の間にある島に建設することになりました。島の地盤を固めてから建てられたパテ砦（Fort Pâté）とブライの砦、メドック砦は「河口の閂」と呼ばれ、ユネスコの世界遺産に登録されているヴォーバンの要塞群として知られています。

コルニッシュ街道

穴居住宅に使用された石灰岩と嘗て穴居人が食料調達として魚を釣っていた川の景色が堪能できるコルニッシュ街道（Route de Corniche）を通りながら、ボルドーからブライまで行くのがおすすめです。この１２kmの街道では、川によって生み出される湿気と冷風を通さない石灰質の崖に日光が反射することで熱帯のような気候を感じることができます。パティラ島（île de Patiras）、ブーショー島（île Bouchaud）、ヌーヴェル島（île Nouvelle）といった無人島が河口にあることでカリブ気分も味わえます。また、フランスで最も大きい群島は、要塞の横に広がっています。

ペア非ペア洞窟

１８８１年に発見されたペア非ペア洞窟（grotte de Pair-non-Pair）は、先史時代の芸術の最も古い例の一つであり、ジロンド県唯一の洞窟でもあります。洞窟に入るにはいくつかの入場規制がありますが、洞窟にある壁の絵は色を塗って描かれたのではなく彫られて描かれているため、他の洞窟と比べて一般の方でも入りやすい洞窟となっています。この洞窟を発見したフランソワ・ダロー（François Daleau）は、３０年かけて洞窟内に眠っていた１万５千もの道具と６０００もの骨を見つけました。この洞窟は約４万年間、最初はネアンデルタール人に、その後ホモ・サピエンス・サピエンスに使用されていました。

コート・ドゥ・ブライとガストロノミー

ブライは、ワインの産地としても知られています。ブライの有名なワインは３つあり、最も有名なのは、赤ワインや辛口の白ワインの「ブライ・コート・ドゥ・ボルドー（Blaye – Côte de Bordeaux）」です。２つ目に有名な「コート・ドゥ・ブライ（Côte de Blaye）」は、１ヘクタールの広さしかないぶどう園で収穫されたぶどうを使用した辛口の白ワインです。そして、３つ目に有名な「ブライ（Blaye）」は、１５のシャトーが広さ３５ヘクタール程のぶどう園で収穫してつくった赤ワインです。また、ブライは多様な土壌に恵まれているため、数多くのワインが生産されています。

• ヴォーバン広場の１２番地（12 cours Vauban）にあるワイン・ショップ「メゾン・デュ・ヴァン・ドゥ・ブライ（Maison des Vins de Blaye）」や４月中旬に一般開放されるワインの試飲会でブライの有名なワインをテイスティングすることができます。

• レストラン「ル・カルマ（Le Carma）」では、創造性に富んだこの地域の伝統料理を味わえます。

• ガストロノミー（美食）を堪能したい方には、洗練された料理が堪能できる港の近くにあるレストラン「ル・ガヴロシュ（Le Gavroche）」がおすすめです。